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なぜ箱根駅伝は特別なのか

箱根駅伝。日本で最も有名な駅伝大会と言っても過言ではなく、正月三が日の風物詩であり、なおかつ大学スポーツが一年で一番輝く日と言っても過言ではないだろう。

しかし、この箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟が主催の単なる地区大会であり、出場することができる大学は原則として関東地区のみである(※第100回大会及び2028年以降を除く)。

大抵の場合、『全国大会』が頂点であるはずだ。しかし、大学駅伝においては、関東大会であるはずの箱根駅伝がその象徴となっている。この歪とも言える逆転現象の裏側には、何があるのだろうか?探ってみたい。

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開催時期

箱根駅伝が有名になった要因の一つには開催時期があると考えている。

そもそも、駅伝が始まったのは、1917年4月に行われた「東海道駅伝徒歩競走」とされており、読売新聞社主催で京都の三条と東京の上野を東西対抗で駆け抜けたことが始まりだったとされている。

そして箱根駅伝が始まったのはその3年後となる1920年2月14日。まだ六大学野球連盟すら生まれていないタイミングから行われていた。
また、その翌年から1月に開催されており、現在まで続いている正月開催の礎を作っていた。

日本三大駅伝を構成する出雲駅伝や全日本大学駅伝と比べても50年以上早く始まっているため、歴史の厚みはかなり異なる。まずこの一点が箱根駅伝が特別と言われる理由の一つだ。

名門大学の所在地と注力

日本の傾向として、首都への一極集中が激しいことが挙げられる。この一極集中は世界的に見ても顕著なものであるが、学問でもこの一極集中はさらに激しい。

国公立はさておき、名門私立と呼ばれるような大学は関東が本拠地であることがほとんどだ。関東圏外で有名な大学として関関同立が挙げられる程度で、有力な私立大学の多くは関東に一極集中している。

それもあってか、地方の場合、頭の良い人は地元国公立に入るか上京するかの二択を迫られることもあり、地元にはレベルの劣る大学しかないために上京するケースもあるとされ、東京の大学に行くというより、”日本を代表する大学”に行くという考えで東京の私立大に行く人も多いはずだ。

また、こうした東京の名門大で学んだ多くの学生が地元にUターンして戻ることで、よりその大学がその親族や友人間で身近になるということも可能性としてはあるはずだ。

このような理由で関東地区大会でも全国大会に感じる人は多くいるのではないかと考える。

メディアの注力

箱根駅伝はやはりメディアの注力がここまで大会を大きくしたと言っても過言ではないだろう。
立ち上げ時から長年読売新聞が大会開催に関わっており、同社が深く扱っている。1987年から読売新聞と関係が深い日本テレビが中継し続けているが、これもまたテレビ界の風物詩となっている

日本テレビは不可能と考えられてきた箱根の山中からの中継を実現させるなど、様々な努力を重ねてきた。
現在でも、中継スタッフ延べ1000人、中継カメラ約80台、同社アナウンサー20人以上が年間を通して番記者として取材し、予選会から生中継するなど、注力の仕方は他のスポーツ番組の追従を許さないほどであり、恐らくオリンピック中継以上の体制で臨んでいるのではないかとも個人的には推察する。

この駅伝は最大級の交通規制を敷かなければならず、このテレビ中継が実現するまでは警察などから大会終了を求められることもあったが、この中継開始とともに注目度が上がったことから大会終了を求められることはなくなり、逆に出場大学枠拡大が決まるなどした。(参加大学が増えると、競技時間が延びるなどして交通規制がさらに強固かつ長時間になるため、警察からの許可が必須となる。)

スポーツとメディアは切っても切り離せないほどの関係性ではあるが、箱根駅伝は特に深い。日テレのスポーツ=箱根駅伝であり、箱根駅伝=日テレでもある。

まとめ

箱根駅伝が「特別」なのは、単なる陸上競技の枠を超え、日本の「歴史」、「学歴構造」、「メディア戦略」が奇跡的に融合した産物だからだと言える。 関東の地区大会でありながら、全国のファンを熱狂させる。この「逆転現象」こそが、100年かけて築き上げられた箱根駅伝という唯一無二のブランドの正体なのだ。

それもあって、箱根駅伝で順位が1つ上がれば約70人の入試志願者が増えるという研究が、拓殖大学の学生によって2011年に明らかになった。

毎年1月に開催される箱根駅伝。すでにスポーツの枠を超えて日本独自の文化と言ってもいいはずだ。実際、第102回(2026年)大会の視聴到達人数(番組を1分以上見た人)は推定5600万人以上とビデオリサーチ社が発表しており、2人に1人近くが箱根駅伝を見た計算である。また、SNSでもXトレンド1位に「#箱根駅伝」が躍り出るなどしている。
当日仕事などで見ることが叶わない人を差し引けば、箱根駅伝を見ていない人の方が少ないと言え、これを文化と言わずに何というべきか私にはわからない。

箱根駅伝は巨大なスポーツイベントではない。正月に行われる大きな年中行事である

出典

東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト|関東学生陸上競技連盟
箱根駅伝の速報・公式情報、交通規制関連情報、過去の成績・選手監督情報の検索、関東学連メンバーの日記等、公式情報全般を発信しています。
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